なによりまして自由なものは☆

~なによりまして 自由なものは
心の中の 物思い~
とりとめもない空想をしている時が一番楽しいです。
お風呂に入っているとき、寝転がっているとき、クルマを運転してるとき(エッw
子供の時から、想像と空想が際限もなく広がってしまい、現実に帰ってくるのが億劫に感じることもあります。
《物思い》のいいところは、なんにも元手がいらないことです。
なんにも無くても空想の世界に遊ぶのに不都合はありません。
でも、時に依代(ヨリシロ)があると、空想の旅のゲートはより簡単にひらき、より豊かな世界に遊べるんです。

何だと思いますか?
『ガラス』です。
砕け散って、溶けてしまったようなガラスのかけら。
西暦79年という世界から送られてきたプレゼント。

2000年前のある日、ローマ帝国の一角で、突然の火山噴火により、一つの街が住民もろとも眠りにつきました。
最盛期を迎えていたローマ文明。
このガラスは食器だったのでしょうか?それとも美しい婦人の胸元を飾っていた宝飾品の一部だったのでしょうか?
もしかしたら、遠征から帰ってきた若い兵士が、故郷の幼なじみの少女に告白をしようと、そのプレゼントにもってきた腕輪だったのかもしれません。
そしていよいよ明日プロポーズを!と眠れぬ夜を過ごしているときに火山が噴火し、彼の思いとともに土の下に埋もれてしまったのでしょうか・・・。
それとも仲の良い親子が、さあ今日はもうおやすみなさいという時に、突然の大音響とともに遠くの空が真っ赤に染まるのを映しだした窓ガラスのかけらなのだろうか。
「大丈夫だいじょうぶだよ。神様にお祈りをしながら朝をまちましょう。きっと守ってくださるから。」そんな父母の言葉のむなしさを、このガラスは知っていたんだろうか・・。
後世にいる私は、この街の悲劇と滅びの前の栄華をしっているだけに、空想も悲しさを帯びてしまいます。
でもそれだけに美しい。
横浜美術館「ポンペイ展」で買ってきた「ガラス」です。
~なによりまして 自由なものは 心の中の もの思い
目をひらく以外に 止めるものはない~小椋佳